リアルタイム波浪予測、特許・論文

観測機器がなくても波浪の状況を
把握・予測するシステム 

波浪計による観測には限界がある

波浪の状況を把握する方法として、波浪計による観測が挙げられます。しかし、気象庁が設置する波浪計は全国6ヶ所、国内最大の波浪観測網であるナウファス(全国港湾海洋波浪情報網)は78ヶ所(2019年時点)と、波浪観測データによる現況把握には限りがあります。

加えて、波浪計は風浪による故障、通信機器の不具合、老朽化などで配信停止の事態が起こることがあり、復旧には数ヶ月から数年かかる例もめずらしくありません。ナウファスでさえも、常に数か所の波浪データが欠測しています。
故障や不具合の多くは波浪情報が特に必要な「しけ」のときに起きているのも事実です。

リアルタイム波浪実況解析・予測とは

リアルタイム波浪実況解析・予測は、波浪の実況を波浪計による観測値で把握するのではなく、推算により把握するというものです。あらゆる地点の波浪をリアルタイムに解析し、波浪計のない地点の現況も把握できるほか、画像化などを通して平面的に波浪の現況を把握することも可能になります。波浪計による観測で起こる欠損のリスクを心配することがなくなるのも特徴です。

リアルタイム波浪実況解析・予測に求められることは、①解析の精度が高いこと、②予測にかかるリードタイム(予測工程に着手してから全ての工程が完成するまでの所要期間)が短いこと、③予測値が最新の波浪実況解析値(初期値)を基に最新の風情報により修正されて更新され続けることです。

従来の「波浪予測」と呼ばれている技術は観測と予測のシステムが分かれているため、過去のある時刻に出された予測値が最新の観測値で自動的に補正されるような連携は図られていません。そのうえ予測のリードタイムが長く、波浪予測情報は1日にせいぜい数回程度しか更新されませんでした。当社のリアルタイム波浪実況解析・予測は、独自のノウハウによりこれらの問題を解決しました。

当社が実現したリアルタイム波浪実況解析・予測

当社のリアルタイム波浪実況解析・予測では以下を実現しました。

①風と波の最新実況解析値で予測値を毎時間修正し、高精度、高信頼度を保つ
②リードタイムの短縮で、波浪計による観測値よりも現況を早く把握できる
③波浪計が不要なため、提供地点に制限がない(理論上は約17万ポイント)
④観測データを基に予測された結果と同程度の精度がある
⑤安いランニングコストで運用できる
⑥波浪計の破損や不具合による情報欠損リスクを回避できる
⑦画像表示を速やかに行える

一般ユーザーにも視覚的・直感的にデータを把握いただけるよう、画像ファイルでのデータ提供が可能です。当社のリアルタイム波浪実況解析・予測は短時間で画像化して配信できる書式にデータを変換してあります。画像により一般ユーザーが主体的に情報を判断し、災害防止やマリンレジャーに役立てることを目指しています。

TOP